神戸市北部の南向きに開けた標高５００ｍの造成地に建つ、夫婦と子供二人が住むための家である。
北から南に下る斜面地形のため南側の道路までは４ｍの崖があり、２階からの眺望が良いことがわかっていたので、そこに家族が集まる空間を配置することにした。アプローチ道路側には開口部を最小限とし、建物の両脇もフェンスと植栽で視界を遮っている。そうすることで、玄関を入って突き当りの階段を上ったときに、初めて大阪湾までを一望する大開口が目の前に広がる仕掛けとした。四人家族が一日の大部分の時間を過ごす、このキッチンと一体となったリビング・ダイニングの天井は、アーチ状の細い線材で構成した軽やかな木造アーチにより支えられている。１階と２階に散りばめられた諸室の天井高を最小限に抑えていることにより、リビング・ダイニングの天井の高さはいっそう際立ち、明るく風通しの良い開放的な空間となっている。
建築家・・・・IIIDA SPACE DESIGN
写真家・・・・平井 広行
施工 株式会社建工１０１
